学び
ラボグロウンダイヤモンドとキュービックジルコニアの違い ― 同じではない理由
ラボグロウンダイヤモンドとキュービックジルコニアは同じではありません。炭素結晶と酸化ジルコニウム、硬度や鑑定基準の違いを、Aureaが数字と事実にもとづいて丁寧に解説します。

ラボグロウンダイヤモンドとキュービックジルコニアを比べていると、ある思い込みに一度は行き着くのではないでしょうか。「ラボグロウン」とは、結局のところキュービックジルコニアを言い換えただけの、やさしい響きの妥協案にすぎないのではないか、というものです。無理もない疑問ですし、混同しやすいのも事実です。どちらも「手の届くダイヤモンドの代替石」として同じ文脈で語られることが多く、ギャラリーの照明の下では、丁寧にカットされたものであればどちらも美しく煌めきます。けれども、ラボグロウンダイヤモンドとキュービックジルコニアは、そもそも同じ分類の石ではありません。一方はダイヤモンドであり、もう一方は、どれほど丁寧に作られていてもダイヤモンドではないのです。この違いはマーケティング上の言葉づかいの問題ではなく、化学の問題であり、数値で測ることができます。
きちんと向き合うべき問い
この点は、あいまいなまま買い物を続けていただくよりも、はじめに一度、率直にお伝えしておきたいと考えています。Aureaが扱うダイヤモンドはすべてラボグロウンであり、カラーストーンもまたすべてラボグロウンです。設計上、天然石という選択肢はカタログに存在しません。これは、これまでのファインジュエリーの売られ方から見ると、たしかに大きな転換です。ですから、少し懐疑的になられるのも当然のことだと思います。お客様の多くは、人生の節目のため、あるいは単に「今がそのときだから」という理由で、ご自身のために一点を選ばれます。そうした真剣な買い物には、セールストークではなく、率直な答えがふさわしいはずです。率直にお答えします。ラボグロウンダイヤモンドは、化学的にも、物理的にも、光学的にも、正真正銘のダイヤモンドです。キュービックジルコニアは、まったく別の鉱物であり、ダイヤモンドに似せて作られたものにすぎません。
ラボグロウンダイヤモンドとは何か
ラボグロウンダイヤモンドは、小さなダイヤモンドの種結晶をチャンバーに入れるところから始まります。そこでは、天然のダイヤモンドが地中で形成される際とよく似た圧力・温度の環境が再現され、炭素が少しずつ加えられながら、天然のダイヤモンドとまったく同じ、緻密に結合した結晶格子構造へと結晶化していきます。米国宝石学会(GIA)は、ラボグロウンダイヤモンドについて「天然のダイヤモンドと同様に、緻密に結合した炭素原子から成る、同じ結晶構造を持つ」と説明しています。
化学の過程に近道はありません。育成方法は異なっても、出来上がるのはダイヤモンドとして配列された炭素そのものです。出典:GIA ― Simulants, Moissanite and Lab-Grown Diamonds [1]
だからこそ、ラボグロウンダイヤモンドは見た目だけで評価されるのではなく、正式に鑑定されます。GIAはラボグロウンダイヤモンド専用の鑑定書を発行しており、鑑定したすべての石にレーザーで刻印を施すことで、その由来を恒久的かつ透明性をもって示しています。ダイヤモンドとしての基準で評価されるのは、それがまぎれもなくダイヤモンドだからです。出典:GIA ― Laboratory-Grown Diamond Report [2]
日本国内の鑑別機関でも見方は同じです。中央宝石研究所(CGL)は、天然ダイヤモンドと合成(ラボグロウン)ダイヤモンドについて、化学組成そのものは同じ炭素結晶であり、生い立ちの違いに起因する内包物や結晶欠陥を手がかりに両者を鑑別していると説明しています。出典:中央宝石研究所(CGL)― 天然ダイヤモンドvs合成ダイヤモンド [6]
キュービックジルコニアとは何か
キュービックジルコニアは、酸化ジルコニウムから作られる人工結晶です。粉末状の化合物を加熱することで無色透明の結晶を形成し、宝石と同じようにカット・セッティングできる状態に仕上げます。出典:GIA ― An Introduction to Imitation Diamonds & Other Gems [3]
キュービックジルコニアは、失敗したダイヤモンドでも、俗に言う「安価なダイヤモンド」でもありません。独自の製造工程と化学組成を持つ、まったく別の素材であり、ダイヤモンドの模造石として何十年もの間、誠実にその役割を果たしてきました。混同が生じるのは、それが本来の姿(別の石)としてではなく、本物の代わりとして、たとえ緩やかにであっても売られるときだけです。
違いが表れる場所:硬度
両者のあいだで最も明確で、数値として測定できる違いは硬度です。ダイヤモンドは、ラボグロウンであれ天然であれ、モース硬度10を示し、これはスケールの最高値であり、ジュエリーに使われる天然素材の中で最も硬いものです。出典:GIA 4Cs ― Mohs Scale, Gem and Mineral Hardness [4]。キュービックジルコニアの硬度はおよそ8.5です [3]。
1.5ポイントの差は、小さく聞こえるかもしれません。しかし、日常生活の中でその下位にあるものを考えてみると、印象は変わります。家庭内のほこりにはモース硬度およそ7の石英が含まれており、これは長年の日常使用のなかで、キュービックジルコニアのファセットを少しずつ鈍らせるのに十分な硬さです。一方、ダイヤモンドのファセットは、日常でふれるほぼすべてのものより硬いため、その輝きを保ち続けます。これは、どちらの石が美しく見えるかという話ではありません。どちらが、その輝きを保ち続けるかという事実の話です。
鑑定書というもう一つの証明
ラボグロウンダイヤモンドがダイヤモンドとして鑑定されうるのは、独立した宝石鑑定機関が、それがダイヤモンドであることを検査・確認しているからです。用いられる基準は、あらゆるダイヤモンドに適用されるのと同じ4C(カット、カラー、クラリティ、カラット)であり、そこにラボグロウンである由来を示す刻印が加わります [2]。キュービックジルコニアがダイヤモンドとして鑑定されないのは、単純な理由からです。そもそも、ダイヤモンドを名乗ろうとしたことが一度もないからであり、独自の基準で売られ、価格づけされています。
この違いは、単なる言葉の問題ではありません。多くの主要なジュエリー市場が真剣に受け止めている、消費者保護のルールの中に組み込まれています。例えば米国では、連邦取引委員会(FTC)のガイドラインにより、キュービックジルコニアのような模造石を表示する際には「イミテーション」や「シミュレーテッド」といった明確な修飾語を用いることが求められており、「ダイヤモンド」という言葉だけを単独で使うことは認められていません。また、ラボグロウンダイヤモンドが「ダイヤモンド」として販売できるのは、天然のダイヤモンドと光学的・物理的・化学的特性を実際に共有している場合に限られます。出典:FTC ― In the Loupe: Advertising Diamond, Gemstones and Pearls [5]。この呼び方の区別は、単なる礼儀ではありません。素材そのものが証明可能なほど異なっているからこそ、要件として定められているのです。
Aureaにおいて、私たちがセットするすべての石――ダイヤモンドであれ、カラーストーンであれ――が、お手元に届く前に鑑定を受けているのも、同じ理由からです。鑑定は、ここでは単なる宣伝文句ではありません。まさに、この記事が答えようとしている問いへの、答えそのものです。
なぜ混同されやすいのか、そしてそれは無理もないこと
この混同は、宝石についての知識が足りないしるしではありません。むしろ、これまでの市場のあり方に対する、ごく自然な反応です。キュービックジルコニアは長いあいだ、天然ダイヤモンドに代わる、広く手に入りやすい選択肢としてほぼ唯一の存在でした。そのため、ある世代の買い手にとっては、「手頃でダイヤモンドのように見えるもの」といえば、まずキュービックジルコニアを指すのが当たり前になっていました。それに比べると、ラボグロウンダイヤモンドはまだ新しく、なじみの薄いカテゴリーです。その背景にある技術自体は、何十年も前から存在しているにもかかわらずです。さらに、どちらの石も商品写真の中では説得力を持って輝いて見えるため、両者を同じ発想のバリエーションだと思い込んでしまうのも、無理のないことです。この思い込みには、防御的にではなく、明快な答えを返す価値があります。
予算ではなく、確信を持って選ぶ
Aureaがセットするすべての石――ラボグロウンダイヤモンドから、ラボグロウンのルビー、サファイア、エメラルド、ピンクサファイア、ライトブルーサファイアまで――は、育成され、鑑定され、注文を受けてはじめて製作されます。だからこそ私たちは、ラボグロウンのカラーストーンとラボグロウンダイヤモンドを、上位グレードと下位グレードという序列ではなく、対等で標準的な選択肢としてご案内しています。どちらも本物であり、どちらも鑑定を受けています。どちらも妥協案ではありません。本当に選ぶべきは、色、セッティング、そして「これは自分のものだ」と感じられる一点であって、「どちらがダイヤモンドになろうとしていて、どちらが本当にダイヤモンドなのか」ではないのです。ご自身にとって意味のある節目のために一点をお選びになるのであれば、この違いは、決めたあとではなく、決める前に、はっきりさせておく価値があります。
よくある質問
ラボグロウンダイヤモンドとキュービックジルコニアは同じものですか。
いいえ、同じではありません。ラボグロウンダイヤモンドは、天然のダイヤモンドと同じ結晶構造へと結晶化した炭素であるのに対し、キュービックジルコニアは酸化ジルコニウムから作られる人工結晶です。両者は化学組成、硬度、鑑定基準がそれぞれ異なる、別々の素材です。
ラボグロウンダイヤモンドは本物のダイヤモンドですか。
はい、本物のダイヤモンドです。ラボグロウンダイヤモンドは、天然のダイヤモンドと同じ化学組成、結晶構造、物理的特性を持っています。違いは形成された場所だけです。地中で長い年月をかけて形成されたか、同じ条件を再現した管理環境の中で形成されたかの違いにすぎません。
ラボグロウンダイヤモンドとキュービックジルコニアの実際の違いは何ですか。
根本的な違いは化学組成にあります。ラボグロウンダイヤモンドはダイヤモンドの結晶格子を持つ純粋な炭素であるのに対し、キュービックジルコニアは酸化ジルコニウムです。この違いは硬度に最もはっきりと表れ、ダイヤモンドはモース硬度10、キュービックジルコニアはおよそ8.5です。また、それぞれの鑑定方法や法律上の表示のしかたにも違いがあります。
キュービックジルコニアは時間とともに傷んだり輝きが鈍くなったりしますか。
その可能性はあります。モース硬度およそ8.5のキュービックジルコニアは、石英を含む家庭内のほこりのような身近な物質よりも軟らかいため、長年の日常使用によってファセットが少しずつ鈍くなることがあります。一方、モース硬度10のダイヤモンドは、日常でふれるほぼすべてのものよりも硬いままです。
ラボグロウンダイヤモンドが正しく鑑定されているかどうかは、どうすればわかりますか。
GIAのような信頼できる宝石鑑定機関が発行する鑑定書を確認してください。GIAは、天然のダイヤモンドと同じ4Cの基準でラボグロウンダイヤモンドを鑑定し、その石にレーザーで刻印を施して、ラボグロウンである由来を証明しています。Aureaでは、すべてのダイヤモンドとカラーストーンが、セッティングされる前に鑑定を受けています。
ラボグロウンダイヤモンドはキュービックジルコニアより高価ですか。
一般的には、はい。ラボグロウンダイヤモンドは、その4Cを反映したダイヤモンドとしての価格がつけられるのに対し、キュービックジルコニアは模造石としての価格がつけられます。Aureaでは、ラボグロウンダイヤモンドとラボグロウンのカラーストーンを対等で標準的な選択肢としてご案内しており、価格はチェックアウト時に日本円および米ドルで表示されます。
光にかざす前に、答えを持っておく
ラボグロウンダイヤモンドとキュービックジルコニアは、光の当たり方がどうであれ、決して同じものにはなりません。一方は炭素であり、ダイヤモンドへと育てられたものです。もう一方は別の鉱物であり、ダイヤモンドに似せて作られたものです。この違いを知ることは、どちらか一方の肩を持つことではありません。心のどこかに疑問を残したままではなく、事実を踏まえたうえで、ご自身の一点を選んでいただくためのものです。もう少し詳しくお話ししたい場合は、当店のコンサルテーションは無料で、お急ぎいただく必要もありません。また、私たちの石がどのように育成され、鑑定され、お手入れされているかについては、Educationセクションもぜひご覧ください。[内部リンク:「コンサルテーションを予約する」→ Consultationページ] [内部リンク:「Educationセクション」→ Education / Lab-Grown Guides]
Mira Oduya
ダイヤモンドの4Cとは?カット・カラー・クラリティ・カラットをやさしく解説
ダイヤモンドの4C(カット・カラー・クラリティ・カラット)を専門用語なしでやさしく解説。ラボグロウンダイヤモンドにも同じ基準が適用される理由も紹介します。Aureaの教育コンテンツより。
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